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第一回木材加工勉強会

建友会初の試みとなる『木材加工勉強会』の第一回目イベントが3月19日(土)、リッチモンドにて開催されました。BC州で長年木材に携わっている和田健治氏、駒場好夫氏、大岩俊行氏の3人を中心に準備・実行されたこのイベント。会場も、駒場氏の家具製作会社「F-Size Furniture」のワークショップ(工房)ということもあり、3時間という限られた時間の中で、木材について多くのことを学べ、体験できる、建友会ならではのイベント内容となりました。

勉強会は2部構成で、第1部ではまず和田氏が『木材概論』として、BC州の樹木が木材製品になるまでの流れを説明。内容は、BC州の樹木の種類、立ち木の伐採、丸太の輸送・検品・輸出、製材、木材製品の欠点、加工、といった幅広いものでしたが、和田氏が前日夜遅くまで準備してくれた話の構成や、数多くの写真や映像によって、とても分かり易く理解できることができました。

映像の中には、大岩氏のBig Rock Homes Ltd.社の業務紹介ビデオもあり、アボッツフォードにある作業場やログハウス製作の工程を見ることができました。合間合間に、大岩氏が詳しい説明を加えてくれたり、BC州のどの地域のどの材木を使っているのかといったこだわりも聞けたりしておもしろかったです。

第2部は『木工実演』として、駒場氏がワークショップの機械を実際に動かし、製品へと加工していく工程を説明してくれました。2,000 SFの大きなワークショップに設置されてるパネルソーやプレス機といった大型機械のほとんどが日本から持ち込んだものとのこと。今回実演してくれた0.1ミリ単位で加工できる自動カンナをかけた後の表面のツルツル度合いは、さすが日本製!との声が参加者から上がっていました。他にも、自作の木材乾燥部屋が装備されていたり、多様な工具が揃っていたりと、プロの家具職人仕様のワークショップは、普段目にしないものばかりで大変興味深いものでした。同時に、木材の性質を考慮した上で加工していったり、それぞれのステップで使う機械や道具を変えていく様子は、木を原料として物を作り出すことの手間や、作り手の姿勢を改めて考える貴重な機会となりました。

今回のイベントは、初めての試みということもあり開催に漕ぎ着けるまでとても大変だったと思います。準備・実行の中心になられた和田氏、駒場氏、大岩氏の3名には心から感謝をいたします。

本イベントは、BC州の木材について専門家から直接学べる機会となったと同時に、3人が普段どのようなお仕事をされているのかをより深く知れる機会となりました。また、所々に笑えるエピソードも盛り込んでいただき(和田氏が丸太検品時にこれまで3度水に落ちた話や、駒場氏が茨城の欅専門の銘木屋で素晴らしい『銘木』に出会ってしまって、衝動買いしてしまった話等々)、時間があっという間に楽しく過ぎる有意義な『木材加工勉強会』になったと思います。