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052「クリスマスイルミネーション」(2017年12月号)

クリスマスイルミネーション、すでに10月から出品されていてびっくりした方も多かったと思います。装飾しない人もいれば一年かけて構想を練ってコンピューター制御システムを導入して音楽に合わせて照明をコントロールするプロフェショナルもいます。
そんな様々なテイストに対応した商品を紹介するのではなく、ここでは安全にクリスマスイルミネーションを設置することについて話したいと思います。

私は電気技師ですが、どんな工事現場に行っても感電する危険性より高所から落下する危険性が高く、工事現場の多くは規則で1.8m以上の高さで作業する場合、必ず命綱をつけて作業するか、手すりがついている足場、もしくは昇降機を使っての作業が義務付けられてます。

現場の保全責任者と相談する多くの内容は高所や水面への落下回避についてで、安全なはしごや脚立の使いかた、命綱の設置場所や設置方法についてで、場合によっては工事が延期になったり、できなくなることもあります。それほどプロフェショナルの世界では落下事故を防ぐための教育を徹底しようとしているのです。

商業施設で一般的な3相式配電盤

商業施設で一般的な3相式配電盤

1. 一人で作業しないこと。万が一のためとはしごを抑えたりするために2人で作業してください。
2. おへそがはしごや脚立の両脇からはみ出ない範囲以内で作業することを心掛けてください。
3. 必ず3点ではしごを触っている状態でいること。つまり、両足と片手、両手と片足、両足と命綱という状態で昇降、作業してください。
4. 脚立を使う場合は正しく開き、上から2段目以上に上らないでください。
5. 使い方や注意書きを必ずお読みください。
6. 地面が平らでしっかりしてことを確認してください。
7. 詳しくはこちらのサイトをhttps://ccohs.ca/oshanswers/safety_haz/ladders/

次に電気の安全性です。最近はLED電飾が多く、電球からの熱などで火事になることは少なくなりましたが、生木を使う場合は常に水を与え、ツリーの乾燥を防いでください。外出の際は室内の電飾はなるべく消しておきましょう。当たり前ですが、窓やドア、通気口から延長コードなどを伸ばすのは危険ですし、違反です。外のコンセントがGFCIタイプであることを確認してください。GFCIは微電流でも漏電を感知したら電流を止めるシステムですので雨の多いバンクーバーの冬の電飾には必要不可欠です。

安全なクリスマスイルミネーションをお楽しみください。