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055「インテリアで理想的なライフスタイルを実現!?」(2018年3月号)

まだまだ寒いですが、ようやく春めいてきて木々の芽もふくらみはじました。ファッションと同じ様に、インテリアショップも明るい春らしいセレクトが見られるようになりました。私はインテリアとはそこに住む方のライフスタイルを顕著に映し出すものだと考えています。お宅を拝見するだけでその方のライフスタイルが垣間見えるからです。人と物がバランス良く調和し、美しく、暮らし心地の良い空間は、その方にとって自分らしい理想的なライフスタイルを送る基本となる事でしょう。逆を言えば思い描くイメージをリノベーションによってインテリアに反映させることが出来れば、自分の理想のライフスタイルも実現可能なのでは?とも考えます。

例えば、忙しい毎日の中で、機能的に物を収納できて、使い易く洗練された空間に住んでいる自分をイメージしたい方。日本のインテリアのブログ等でよく目にするミニマリストには、白と木の色で統一シンプルに、色は出来るだけ少なく、そして物の収納技、すっきり暮らす方法、等が人気ですね。全てを隠し、色を抑え広くすっきりとした空間。まずは流行りの断捨離。「スッキリ、シンプル」と感じるモノだけを選び、「ごちゃごちゃ」「色」が主張するものは思い切ってリサイクルへ。物一つ一つに場所を与えてあげるのが成功への鍵の様です。

また、カナダに住む私達は、特に日本を懐かしく想い、生活の中に「和」を求めてしまうことが多いように感じます。
やはり「和」を住まいに、、、。とお考えの方は、家具の上や棚の一段、インテリアの何処か一カ所でも四季折々の「和」が表現出来るコーナーがあるだけでほっと和むことができます。一生物のオーダーメメイド家具を取り入れて季節の物を飾ったり、小さな和室や床の間スペースがを作ることができれば「和の心」をいつも感じる事が出来ますね。また、リノベーションによって浴槽と洗い場を隣合わせにしたお風呂や京風のパウダ−ルームなど「和」を演出する事も可能です。まるで日本の温泉に居る様な寛ぎの空間が実現すると毎日リラックスしたライフスタイルを送れそうです。

そして、安全で身体にストレスがかからないインテリアもまた、ライフスタイルを心地よく送るための重要なポイントになります。例え今は必要ないと感じていても、手摺や段差のない空間、日本人の背丈に合う低めのシンクに、使いやすいシャワー、水栓金具等をリノベーションの際に選ぶ事は将来に向けての素晴らしい投資になるのです。身体にストレスがかかりにくい安全で使い易い機能は、不必要な事故や病気を防ぐと共に、安全で健康に毎日過ごせる要となります。今コストが多少かかっても、5年10年後も安心して暮らせるライフスタイルをイメージできるリノベーションにしていただきたいですね。私の信頼する経験豊かな大工さんは、「衣食住に関わるお仕事はお客さんを病気にさせないようにする仕事だ」とおっしゃいます。インテリアの中にその精神を宿しながら、安全で優しい空間を作るリノベーションを実現したいと思っています。

思い描くライフスタイルを実現するために、まずはどんなライフスタイルを送りたいかを明確に思い描いて、そのイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか?