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051「リノベーション」(2017年11月号)

日増しに秋が深まり、紅葉が綺麗な季節になりました。朝目覚めても外はとても暗く、すでに冬を感じてきております。さて今回はリノベーションについてお話します。

新築よりもコストが安く、デザインの自由度が高いリノベーションは、とても需要があると思います。リノベーションの目的は、傷みを直してより快適に暮らすため、または売るためなどが挙げられるかと思います。目的が定まったなら、次は会社選びと、自分の理想を細部まで具体的にイメージをもつことが大事です。自分の理想に合った技術と知識をもつ会社を選び、完成するまで、互いのイメージの共有にズレがないかを確認しながら工事をしていきます。

規模にもよりますがリノベーションには、設計士、デザイナー、エンジニア、コントラクターなど様々な業種が必要になり、それらを束ねているのが棟梁(Journey manまたはForman)です。カナダは作業を細分化しているので、棟梁といっても日本と同じ意味合いにはならず、ピンとこないかもしれません。ですが、現場の段取りから始まり、安全、品質管理、現場指導など、経験と人間性を必要とする役割です。出来上がったものだけを見るのではなく、現場で棟梁が目を光らせて仕事をしているか、約束事を毎回きちんと守るか、報連相ができているかなども、会社を選ぶ重要なポイントだと思います。

次にビルディングパーミットについてです。原則、パーミットが必要な工事は、変更増築工事で、不必要なものは交換工事です。パーミットを取得せずに工事をしてしまうと、違法建物になりかねない上に、工事停止命令を受ける等のリスクがあります。工事前にはお住いのシティホールで、パーミットの要否を聞いてから始めることをお勧めします。

これからリノベーションを考えている人は、コスト相談はもちろんのこと、しっかり契約書を交わし、互いのサイン、労災、保険の有無などの確認も綿密に話し合うといいかと思います。

リノベーションとは、希望の暮らしを実現させるための手段です。後悔したり損をしたりする前に、積極的にコミュニケーションをとり、互いに尊敬しあい、完成してからも皆ハッピーに暮らしていけるといいですね。