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123「シニアの快適な住まいづくり:リフォームで元気で安全なセカンドライフへ」(2024年02月号)
By 牧田 仁美(Hitomi Makita), Interior Designer)
人生80歳というのが、最近は人生100歳、いや110歳とも。日本では、購入した家でのリフォームといった形で長期間同じ家にとどまることが一般的ですが、一方でバンクーバーでは、年齢に応じて住環境を変える人々も多くみられました。しかし高騰しすぎた住宅事情の中、年齢に合わせた住宅の購入もますます難しくなってきています。快適に余生を過ごすためには、どのような住環境が望ましいでしょうか?
日本では、高齢者の事故のうち、約8割が実は住み慣れたご自宅での転倒などで発生していると言われています。高齢になって、体力、運動機能が低下していく中、日常生活を安全に送るために、老後のリフォームが、健康寿命を延ばし、快適な余生にも繋がる可能性があります。
老後のリフォームといえば、段差の解消、手すりの設置等のバリアフリーな要素が一般的ですが、意外と見落としがちなのが、間取りです。間取りの変更は、生活スタイルに合わせ、効率的な動線を確保するものですが、高齢者の方にとって、慣れ親しんだ生活動線を急に変更すことで戸惑いや不安を感じられる場合が多くあります。したがって、間取りを変更する場合は、どのタイミングでリフォームするのかが大切になってきます。平均寿命の延長に伴い、セカンドライフの期間が長くなってきました。今は、プレシニア(50~64歳)とアクティブシニア(65-74歳)が健康寿命といわれ、その間もその後も身体状況は、こくこくと変化していきます。だからこそ、長いセカンドライフに向けて、早いうちからの住環境への備えが必要になってきます。
それから、バンクーバーでは、リセイルバリューを考えたリノベーションというのも大切ですよね。例えば、現在はオープンコンセプトがとても人気ですが、壁が少なくなることで、実際に手すりをつけるにも、壁がなく、高齢の方が転倒されても、捕まる場所がなく、起き上がることが難しくなることも。ですから、現在は不自由なく日常生活がおくれても、将来を見越したリフォームを行うことが大切です。
最後に付け加えておきますが、BC州にはシニアのリノベーションを支援する補助金制度があります。条件があるため、すべての人が利用できるわけではありませんが、利用できる方は積極的に活用しましょう。ぜひ参考にしてください。10 OFF『ふれいざー ふれいざー』を見てお問い合せいただくお客様につき、10%OFFとさせていただきます!』
https://www2.gov.bc.ca/gov/content/taxes/income-taxes/personal/credits/seniors-renovation
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