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026 「家具などの大型貨物の国際輸送について」(2015年10月号)
By 高生 素也 (Motoya Takahae(Taka)), 米国ヤマト運輸バンクーバー支店
今回は家具等などの大型、特殊貨物の国際輸送についてお話させて頂きます。
皆様も年に数回はカナダ国内外にいらっしゃるご家族、ご親戚、ご友人に、メープルシロップやチョコレートなど「贈り物」を送られているのではと思います。その際、運送規定(運送できる最大の重さ、大きさ等)を調べ、どんなものを入れようか、中身を吟味されるのではないでしょうか。
一般的に「贈り物」などの発送の場合、運送会社が決めた重さ、大きさの「規格」に合わせるのが、輸送費を安く抑える賢い方法だと思います。ただ、「規格」に合わない貨物の輸送が必要になった場合、どのようにされているでしょうか?
例えば:
*イタリアで旅行中、気に入ったダイニングテーブルを見つけて、どうしてもカナダの自宅に置きたい。
*自身で製作した家具をインターネットに載せたところ、ニューヨーク在住の個人から購入希望があった。
*カナダでは手に入らない建築資材を輸入して、施主様に提供したい――等、これらのご要望も、Freight Forwarder(国際運送会社)を上手にご利用頂ければ、可能になり得ます。
大切な点は、いわゆるギフトの発送(配達先までの一貫輸送)と違い、輸出側は仕向け地の港もしくは空港(Door to Port)まで、輸入側は自国の港もしくは空港から配達先まで(Port to Door)と役割分担を分けることが重要です。そして、輸出者、輸入者それぞれが、地元の国際運送会社にコンタクトすることにより、送料の把握も早く、相手方との交渉もスムーズに進み、ビジネスに繋がりやすくなると思います。
国際輸送の場合、他国の輸出規定、運賃、輸入許可規定、関税、消費税(VAT)率等、他国からは分かりづらい部分が多々あるため、「(情報が入手しやすい)自国分の役割を輸出者、輸入者それぞれが行う」との考え方になります。
大方の国際運送会社は、世界中に代理店(提携会社)を持っていますので、相手側が適当な国際運送会社とのコンタクトが取れない場合、代理店を通して相手側にコンタクトしてもらうことも可能です。
日々の生活から実感されていると思いますが、ここ10年来のIT技術の発達によりインターネットを利用した取引の割合が大きくなっていて、モノが世界中を動きやすくなっています。世界中がお客様であり、仕入先になりうる時代です。
大型、特殊貨物を売る場合、買う場合、国際運送会社を上手に利用することにより、販売や仕入れの幅が広がるのではないでしょうか。