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080 「自宅で健康に過ごそう」 (2020年06月号)

新型コロナによる自粛要請で自宅で過ごす時間が長くなり、自宅をいかに快適で健康に過ごせる空間にするかは、大きな課題となってきています。一口に「健康で快適な住まい」と言っても、様々な見方がありますが、今回はコロナ対策に関連して考えてみましょう。
まずは家庭内にウイルスを持ち込んだと想定して、ドアノブやキッチンのカウンターなど頻繁に触れるところを常に掃除することが大切です。除菌には70%以上のアルコール系除菌液や次亜塩素酸などが使われますが、手に入らない場合は家庭用洗剤を薄めて作っても効果があると言われています。
次に今よく言われてるのが換気の大切さですね。もともとカナダでは空調システムのことをHVAC-Heating, Ventilation & Air Conditioning と言うように、冷暖房と同等に換気が捉えられています。これを機会にご自宅の換気システムがどのようになっているのかを、確認されるとよいでしょう。新しい建物であれば建築基準に定めれている通り、24 時間換気システムが備わっていると思いますが、そうでない場合は換気扇や窓を開けるなどの換気が必要になります。
米国疾病センターから、COVID-19 ウイルスがエアコンなど空調設備の気流によって運ばれる可能性があると言う気になる発表がありました。これは自宅というよりもオフィスやレストラン、公共施設などで大きな問題になりそうです。今各地のビル管理会社では、空調用フィルターの見直しを行っているところが多いようですが、たとえHEPA レベルのフィルター(MERV17 以上)に換えたとしても、0.1 ミクロン以下のウイルスをキャッチすることはできません。そしてこれと関連して日本では家庭用のエアコンが、ウイルスを部屋中に拡散させる原因になるかもしれないとの報道がありました。通常エアコンがオンであれば換気もされていると勘違いしがちですが、ほとんどの場合、空気を循環させているだけなので、逆にエアコンがウイルスの拡散を助長するかもしれないと云うことです。実際のところは感染の方法がまだはっきりしてない状況では、あまり心配しない方がよいでしょう。
さらに家庭内で体調を整えるうえで「光」を上手く使うこともお勧めします。朝の通勤でリセットできなくなった分、できれば朝起きたらバルコニーなどに出て、直接光を感じるようにしてください。ガラス越しの光ではビタミンDを生み出す中波紫外線(UV-B)が得られないので、短い時間でも直接光を感じるのがよいでしょう。また室内の照明にも工夫が必要です。ホームオフィスで仕事をするなら、やる気の出る昼白色系(Cool 系3000-4000K)のものを、寝室でリビングでリラックスするなら電球色系(Warm 系2700K)などを選ぶとよいでしょう。そしてパソコン、スマートフォンの光は、リラックスを妨げるので使用する時間を制限するようにします。
できるだけ気持ちのよい空間でストレスフリーを心がけ、この難局を乗り切りましょう!