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105「身体にいい水の話」(2022年08月号)

皆さん、海外旅行で泊まったホテルで、飲めないほど「不味い水」を経験されたことがあるのではないでしょうか? まずいだけならまだしも、それで体調を崩したら旅行は台無しなので、その場合はどうしてもボトルドウォーターに頼ることになります。その点、私たちの住んでいるバンクーバーの水道水は、安心して飲むことができるので、できればエコのためにも、家庭では水道水を飲んでいただくのがよいと思います。

ただいかに安全な水とはいえ、塩素臭のないもっとおいしい水、身体にいい水を飲みたい、という方は多いのではないでしょうか?同じ水であっても、味に違いがあったり、安全できれいであっても、身体によい水とは限らないなど、水の性質は多岐にわたり複雑です。

WHO や Health Canada では、安全な水のガイドラインとして、” Guidelines for drinking-waterquality” を発行しており、含まれている微生物、放射性物質や、化学的、物理的な側面から、様々な基準を設けています。もちろん日本でも水道法に基づく水質基準が定められており、厚生労働省では「おいしい水の要件」を、ミネラル含有量、硬度、残留塩素、臭気、有機物濃度、遊離炭酸、水温などで数値化しています。

水道水を貯水池から家庭まで安全に届けるために塩素が欠かせませんが、その残留塩素が一般に言われるカルキ臭となって、おいしい水の大敵となっています。また飲む水ほどではありませんが、毎日顔を洗う、お風呂に入るなど、肌や髪、目などにも残留塩素は影響があると言われています。濃度の差こそあれ、プールから上がった後、髪がゴワゴワ、肌がカサカサ、目がシパシパという記憶があるのではないでしょうか?

家庭で一般的に使われている浄水器は、活性炭や中空糸膜フィルターで水道水をろ過し、塩素や不純物などを取り除くものです。フィルター方式に含まれる RO 水(逆浸透膜)というのも知られていますが、これは海水を飲み水に変換するような技術で、ほぼ混ざりけのない純水を作ることができます。さてここでの問題は、混じりけのない純水や蒸留水が美味しいか?身体によいか?という疑問です。

キッチンで使うだけのものでしたら、さらに進んで電解水素水やアルカリイオン水を作る整水器があります。これらは前述の浄水器も含めて、フィルター交換や電極の清掃など、きちんと決められたとおりにメンテナンスをしなければ、かえって逆効果になることもありますので、注意が必要です。

家中のどこの蛇口からも、いつも美味しく、身体にいい水が出てくれば最高ですよね。今や全館冷暖房の住宅と同じように、水道管の元栓に、セントラル浄水器やコンバーターを取り付けることで、「全館いい水」の住宅も実現可能です。初期コストやメンテナンスコスト、そして一番には自分が美味しいと感じる水であることを考慮して、選択しましょう。水質検査で数値を確認することはできますが、自分が美味しいと感じる水こそが、身体にいい水であると言われています。