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032 「大工(Contractor)探し」 (2016年4月号)

桜が咲き誇ってきた最近、またバンクーバーに早い春がやってきたと思いながら過ごしています。また、この時期になると私の地元福島でおこった東日本大震災のことを思い出します。

人はどうやっても天災からは逃れられません。少しでも安全確保のために前もって地震感知ができるようなシステム開発研究なんかもだいぶ進んでいるようです。

5年経った今でも問題視されている原発問題。地震は天災、原発は人災だと思います。

人災は防げることです。ボロボロに老朽化した家でない限り「水漏れがする」「電気がつかない」「床鳴りがする」などのたくさんの問題はでてきません。それらたいていの場合が、人災が原因ではないかと思います。「ネジを締め忘れた」「クギやグルーをつけ忘れた」「適材ではなかった」など大工や電気屋、水道屋、各業者、一人一人が後先のことまでしっかり考えて仕事をしてくれたかということが、人災を防ぐ一番の方法ではないでしょうか。各々の職業でプロフェッショナルの仕事を完遂することは当たり前です。それよりも人としてどういう人なのかということの方が大事なのではと思います。なぜならそのことが仕事に表れてくるからです。

私は大工になり14年、日本で8年カナダで6年の経験があります。私より経験がある大工さんからしてみれば、まだまだ未熟な部分もあるかと思います。それでも様々な大工をみてきました。一般の方におすすめする大工の探し方、選び方というのを紹介したいと思います。それはズバリ「仕事を当たり前にこなし、人としてしっかりしている大工」です。どちらかというと大工を探すというより、「人」を探すという感覚です。もちろん一度接してみないと分からない相性もあると思います。だからこそ友人の紹介や広告などで探すことが手っ取り早く、信用できる人に出会えると思います。実際仕事をしてもらい、「あれ?」と思うことが多々あるならそれまでの縁だと思い、思い切って別の大工を探すことがいいのではないでしょうか。

人と人との繋がり、ご縁はとても大事なことであり、それは世界共通だと思います。

私の意見はあくまでも参考にしてください。ありがとうございました。