記事・出版物 Articles & Publications リストへ戻る

067「世界の木材市場へ出荷されるカナダ産木材」(2019年3月号)

バンクーバーの港は木材資源を世界中へ出荷するカナダの玄関口の一つ。アメリカや中国を始め、日本、韓国、インド、オーストラリア、東南アジア、
ヨーロッパ、メキシコ、その他の木材需要のある国々へ出荷されて行きます。

近年は、情報伝達方法のめざましい普及により「三国間貿易」と言われる木材貿易も可能になっています。例えば、欧州諸国の製材工場で生産された木材を、インドや中国へコンテナ出荷&販売。ただし、それをバンクーバーに居ながらにして可能とさせています。既に、個人レベルで日本においてもオンラインで木材を1本から購入出来るようになっています。将来オンライン上でコンテナ一杯に入った木材を簡単に購入が出来る日が来るでしょう。

住宅建築用の木材(2x4材)が出来るまでの流れは、「山に生息している木を伐採」→「伐採した丸太を製材工場へ搬入」→「製材工場にて製材」→「乾燥釜にて含水率を19%以下までコントロール」→「プレーナー(大型のかんな)工場にてスムーズ仕上げ」→「格付け(グレーディング)を行い」→「パッケージ」となって出来上がります。この一連の流れの中で生産コストはほぼ決まっており、木材の取引の際には石油や天然ガス等と同じように需要と供給のバランスからなる市場価格が実際の取引価格として使われます。山火事が一度発生すれば、丸太の伐採に影響が出てしまう事もあり、場合によっては工場への安定供給がままならなくなる事からの工場一時閉鎖にも繋がり、需要と供給のバランスが崩れる事から価格への影響が心配されます。山火事の発生した地域に工場の従業員の方が居られれば、避難による従業員不足にて工場の閉鎖、又は危険区域内に工場がある場合にも同じく一時的な閉鎖が実行される事で市場価格への影響が心配されます。昨年は過去50年の山火事の歴史の中で最も延焼面積の多かった年と言われ、その事が直接的な影響であったのかは判断し難い中で、結果としては昨年の木材市場価格は近年類を見ない価格帯まで上昇しました。世界規模での競争として欧州、スカンジナビア諸国、東欧、その他の地域からも木材は世界市場へ流れて行きます。カナダの木材価格があまりに高い物になってしまう事で世界中から置いて行かれる事のないように、常に競争力を持った価格が維持される事を強く願います。

弊社GRIFFは、木材及び建築資材の問屋として54年余りの間、地場密着型にてお客様と共に今日まで来ております。輸出部は弊社の半世紀の歴史の中ではまだまだ新しい部署です。輸出向け、カナダ国内のプロジェクト向けとお話しを頂けましたらお手伝いをさせて頂きたく社員一同お待ち致しております。